スルフォン床の特徴や材質をアクリル床と比較して説明致します。
ノンクラスプデンチャーで用いられるポリカーボネート樹脂とは?
ポリカーボネート義歯
ポリカーボネート義歯とアクリル義歯
アクリル義歯とポリカーボネート義歯とでは形状も原材料もそして
製作方法も全く異なります。
スルフォン床はポリカーボネート樹脂を使用した代表的な義歯床(名)です。
1、臨床ではスルフォン床は評価は高いが、硬過ぎて修理や調整が困難だった。
2、保険適応だが時間・コスト等問題がありすぎて保険で製作する技工所が少ない。
3、材質は良いのだが材料や製造機械など問題点がありすぎた、メーカーの努力不足。
4、現在ではポリカーボネート樹脂に弾性を持たせた専用材料・機材が開発された。
義歯は主にプラスチック材料からできています。
使われているプラスチック材料の種類から大きく2種類に分けられ、
アクリル義歯とポリカーボネート義歯が主な代表例です。
※一部、スーパーポリアミド(ナイロン系)の材料もあります。
※現在、ノンクラスプに用いられる主な材料はこのポリカーボネート樹脂に
弾性を持たせたもの(ジェットカーボ)とナイロン系のもの(ヴァルプラスト等)の
2種類に大別されます。
上記に示した材料の表面硬さの違いを図にしてみました。
このことから
@患者さんの立場にて、義歯表面に日常使用による傷が付かない方がより衛生的。
Aアクリル系義歯を一般的としてチェアタイム(修理・調整)を考えると、
スルフォン床は硬く、ナイロン系義歯は柔らかく調整・研磨に時間がかかる。
B Aを考えると、アクリル系義歯か中間的なジェットカーボ義歯が理想的。
上記に示した材料の弾性力の違いを図にしてみました。
このことから
@患者さんの立場にて、破折・クラックの起きづらい弾性力のある素材が好ましい。
Aアクリル系義歯を一般的として考えると、弾性があるということは両側にまたがる
ケースの場合において、咬合圧の負担、強度面から単体では使用せず、
金属レスト・バーを併用した設計がより理想的である。
アクリル義歯はポリマー(粉)とモノマー(液)を混ぜてモチ状にして、
歯型の中に入れ熱などをかけてプラスチックにします。
その中には重合開始剤、重合促進剤、重合禁止剤などプラスチックになるための
いろいろな化学物質が入っています。そのため特有の問題などが発生します。
一方、ポリカーボネート義歯は専用の機械(射出成形機)でプラスチックの粒を
高温300℃以上の温度で溶かし、歯型の中に高速で流し込みます。
従って原材料はポリカーボネート樹脂と呼ばれるプラスチックと複合材だけで、
アクリル義歯のように型の中で重合させたりしないところが大きな違いです。
| アクリル義歯 | ポリカーボネート義歯 |
|---|---|
|
【粉体】 ポリメチルメタクリレート 過酸化ベンゾイル(重合開始剤) 【液体】 メチルメタクリレート ジメチルパラトルイジン(重合促進剤) ハイドロキノン(重合禁止剤) |
ポリカーボネート ウイスカ(複合材)のみ |
アクリル義歯とポリカーボネート義歯では、作製していく手順が大きく異なります。
アクリル義歯は原料であるポリマーとモノマーを混ぜて「モチ状」にさせ、
歯型に押込みアクリルを重合させ硬化します。
このときモノマーが完全に重合しないで残留してしまう可能性があり、
その残留モノマーによって口の中でアレルギーを引き起こすことがあります。
一方、ポリカーボネート義歯は完全に重合を完了したポリカーボネート樹脂を専用の
成形機で射出成形します。
従って、残留するモノマーがなく、アレルギーを引き起こすことはありません。
ポリカーボネート義歯はアクリル義歯に比べて強靱で丈夫な入れ歯です。
これは材質で記したようにポリカーボネート義歯が原材料にポリカーボネート樹脂と
呼ばれるプラスチックを使用しているためです。
ポリカーボネートはエンジニアリングプラスチックと呼ばれ、アクリル入れ歯が属する
汎用プラスチックに比べ耐熱温度が100度以上、高弾性、高強度なプラスチックです。
そして強靱さ透明性、寸法安定性から幅広い分野で使用され、医療用途では
輸液用コネクターやカテーテル、人工心肺、三方活栓のハウジングなどに
使われています。
ポリカーボネート義歯は熱に強く、吸水性が少ない為、結果として
臭いも着きにくく、割れにくい入れ歯となります。
また、曲げ強さはアクリル義歯の1.2倍の値を示しています。
義歯床としては理想的な材料と言えます。
[category] :ジェットカーボデンチャー
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